○大口町地下水の保全に関する条例
平成12年6月16日
条例第47号
(目的)
第1条 この条例は、掘削跡の埋め戻しに使う土砂による地下水の汚染を防止し、地下水の水質保全を図るとともに、砂礫層が持つ地下水の涵養機能を維持することによって将来にわたって持続的に豊かで良質な飲料水を確保し、もって住民の健康を保持することを目的とする。
(定義)
第2条 この条例において、「特定作業」とは、掘削を行う前の地盤面から垂直距離で3メートルを超える掘削を行う場合において、その掘削跡を、掘削を行う前の地盤面まで、在来の土砂以外の土砂を使って、その全部又は一部を埋め戻す作業(単に埋め戻しに使用する土砂を運搬するのみの作業を除く。)のうち、次に掲げる作業以外の作業(第10条の2の規定に違反した作業を除く。)をいう。
(1) 国、地方公共団体その他規則で定める公共的団体が行う作業
(2) 電気事業法(昭和39年法律第170号)第2条第1項第10号に規定する電気事業者が行う建柱、地下埋設管の布設及び人孔の設置(以下「建柱等」という。)、電気通信事業法(昭和59年法律第86号)第120条第1項に規定する認定電気通信事業者が行う建柱等又はガス事業法(昭和29年法律第51号)第2条第12項に規定するガス事業者が行うガス管の布設に伴い行う作業
2 この条例において「特例作業」とは、前項に規定する特定作業のうち、次に掲げる作業をいう。
(1) 土壌汚染対策法(平成14年法律第53号)第7条第1項第1号に規定する実施措置により行う作業
(2) 農用地の土壌の汚染防止等に関する法律(昭和45年法律第139号)第11条の規定による農用地の土壌の汚染の防止に関する措置の要請及び勧告により行う作業
(3) 廃棄物の処理及び清掃に関する法律(昭和45年法律第137号)第8条第1項に規定する一般廃棄物処理施設及び同法第15条第1項に規定する産業廃棄物処理施設の存する土地において行う作業
(4) 県民の生活環境の保全等に関する条例(平成15年愛知県条例第7号)第40条の規定による汚染の拡散の防止のための措置に伴う作業並びに同条例第41条の規定による汚染の除去等の措置命令及び同条例第45条の規定による助言により行う作業
3 第1項の「在来の土砂以外の土砂」とは、掘削を行う土地で採取された土砂以外の土砂をいう。ただし、掘削が一団の土地にわたって行われる場合は、当該一団の土地以外において採取された土砂をいう。
4 前項の「一団の土地」とは、公が管理する道路、水路又は河川(廃道敷地、廃水路敷地及び廃川敷地は含まない。以下同じ。)で、囲まれた1つの区域とする。ただし、その区域の中に公が管理する道路、水路又は河川を含むものは、一団の土地とみなさない。
(特定作業者の責務)
第3条 特定作業を行う者(以下「特定作業者」という。)は、その特定作業に用いる埋め戻し用の土砂による地下水の汚染を防止する責務を有する。
(特定作業の届出)
第4条 特定作業者は、特定作業を行う現場ごとに、特定作業に着手する日の20日前までに、次に掲げる事項を、あらかじめ町長に届け出なければならない。
(1) 特定作業者の氏名又は名称及び住所並びに法人にあっては、その代表者の氏名及び所在地
(2) 特定作業を行う土地の所在地番
(3) 特定作業により埋め戻す掘削跡の深さ及び面積、特定作業に着手する日並びに特定作業を行う期間
(4) 特定作業に使う埋め戻し用の土砂(以下「埋め戻し用土砂」という。)を採取する土地の所在地番並びに採取する土砂の予定量及び種類
(6) 第2条第2項各号に該当する作業の内容(特例作業の場合に限る。)
2 前項の規定による届出には、規則に定める書類及び図面を添付しなければならない。
3 第1項の規定による届出を行った者は、当該届出の内容に変更があるときは、その変更に関する事項について、変更をしようとする日の10日前までに町長に届け出なければならない。
4 第1項の規定による届出を行った者は、当該届出に係る特定作業を廃止したときは、遅滞なくその旨を町長に届け出なければならない。
5 特定作業が完了したときは、遅滞なく町長にその旨を届け出なければならない。
2 前項の土壌検査に用いる土砂の規制基準(以下「規制基準」という。)は、当該土砂の汚染状態について、規則で定める。
4 第1項の土壌検査は、計量証明事業者に委託して行わなければならない。
5 埋め戻し用土砂は、当該特定作業に使用するまでの期間、土壌検査を行った土砂採取区域ごとに区分して保管するものとする。
6 町長は、必要があると認めるときは、土砂採取区域の土壌検査又は特定作業の現場で埋め戻しに使った土砂の土壌検査(以下「土砂採取区域等の土壌検査」という。)を行うことができる。
(検査試料の採取)
第7条 第5条第1項の土壌検査を行う場合には、計量証明事業者で、計量法第122条第1項の規定により登録された計量士のうち、濃度に係る計量士である者に検査試料を採取させなければならない。この場合において、検査試料の採取に立ち会った者は、規則の定めるところにより当該検査試料の採取に立ち会ったことを証する書面を作成の上、それぞれ署名をしなければならない。
2 検査試料の採取方法については、規則で定めるものとする。
(作業日報の作成)
第9条 特定作業者は、規則の定めるところにより当該特定作業に関する内容を、作業を行った日ごとに記録した書類(以下「作業日報」という。)を作成しなければならない。
(特定作業の禁止)
第10条 何人も規制基準に適合しない土砂を使って、特定作業を行ってはならない。
2 複数の土砂採取区域から採取した埋め戻し用土砂が混在する土砂を使って、特定作業を行ってはならない。
(措置命令)
第11条 町長は、規制基準に適合しない埋め戻し用土砂を使って特定作業を行っていることを確認したときは、当該土砂を使って現に特定作業を行い、又は行った者に対し、遅滞なく当該特定作業に使われた土砂(当該土砂等により規制基準に適合しないこととなった土砂を含む。)の全部若しくは一部を撤去し、又は当該土砂の埋め戻しによる地下水の水質の汚染を防止するために必要な措置を執るべきことを命ずることができる。
2 町長は、第10条第2項の規定に違反して、現に特定作業を行っている者に対し、当該特定作業の中止を命ずることができる。
3 町長は、第10条第3項の規定に違反して、現に特定作業を行っている者に対し、当該特定作業の中止及び土砂採取区域等の土壌検査を行うことを命じ、又は当該土壌検査の結果を報告することを命ずることができる。
4 町長は、第10条第3項の規定に違反して、特定作業を行った者に対し、土砂採取区域等の土壌検査を行うことを命じ、又は当該土壌検査の結果を報告することを命ずることができる。
5 町長は、前条の規定に違反した作業(以下「禁止作業」という。)を行っている者に対し、当該作業の中止を命ずることができる。
6 町長は、禁止作業を行った者に対し、埋め戻し及びその埋め戻しに使う土砂による地下水の水質の汚染を防止するため及び砂礫層の持つ地下水の涵養機能を保全するために必要な措置を執るべきことを命ずることができる。
(報告の徴収)
第16条 町長は、この条例の施行に必要な範囲内において、特定作業を現に行っている者若しくは特定作業を行った者又は禁止作業を現に行っている者若しくは禁止作業を行った者(以下「特定作業者等」という。)に対し、当該作業に関し報告を求めることができる。
(立入検査)
第17条 町長は、この条例の施行に必要な範囲内において、当該職員に特定作業者等の事務所、事業所及び特定作業若しくは禁止作業の現場又は埋め戻し用土砂を採取する場所に立ち入り、帳簿、書類その他の物件を検査させ、又は関係者に質問させることができる。
2 前項の規定により当該職員が立ち入るときは、その身分を示す証明書を携帯し、関係者の請求があったときは、関係者に提示しなければならない。
3 第1項の規定による立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。
(氏名等の公表)
第18条 町長は、正当な理由なく、次の各号のいずれかに該当する者については、この条例に違反する事実並びに氏名又は名称及び住所並びに法人にあっては、代表者の氏名及び所在地を公表することができる。
(3) 第6条の規定による変更命令に違反した者
(4) 第9条の規定に違反して作業日報の作成を行わない者又は虚偽の作業日報を作成した者
(5) 第10条の2の規定に違反して掘削を行った者
(6) 第11条の規定による措置命令に違反した者
(7) 第15条の規定に違反した者
(8) 第16条の規定による報告をせず、又は虚偽の報告をした者
(9) 第17条第1項の規定による立入検査を拒み、妨げ、忌避し、又は虚偽の答弁をした者
2 前項に規定する住所、氏名等の公表の方法については、規則に定めるものとする。
(聴聞)
第19条 町長は、前条第1項の規定により氏名等の公表を行おうとする場合においては、あらかじめ当該氏名等の公表に係る者について聴聞を行うものとする。
2 前項の聴聞については、大口町行政手続条例(平成9年大口町条例第3号)に規定する聴聞の例による。
(委任)
第20条 この条例の施行に関し、必要な事項は規則で定める。
(罰則)
第21条 次の各号のいずれかに該当する者は、1年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処する。
(3) 第10条の2の規定に違反して掘削を行った者
第23条 次の各号のいずれかに該当する者は、30万円以下の罰金に処する。
(1) 第9条の規定に違反して、作業日報の作成を行わない者又は虚偽の作業日報を作成した者
(2) 第15条の規定に違反した者
(3) 第16条の規定による報告をせず、又は虚偽の報告をした者
(4) 第17条第1項の規定による立入検査を拒み、妨げ、忌避し、又は虚偽の答弁をした者
(両罰規定)
第24条 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関し、前3条の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対しても、各本条の罰金刑を科する。
附則
1 この条例は、公布の日から起算して6月を経過した日から施行する。
2 この条例の施行の際現に特定作業を行っている者は、この条例の施行の日から起算して1月間は、この条例の規定にかかわらず、当該特定作業を行うことができる。
附則(平成15年6月20日条例第16号)
この条例は、公布の日から施行する。
附則(平成16年12月27日条例第21号)
1 この条例は、公布の日から起算して6月を経過した日から施行する。ただし、第2条第1項第2号の改正規定は、公布の日から施行する。
2 この条例の施行の際、現に禁止作業(禁止作業のうち、この条例の施行の際、掘削の深度が掘削を行う前の地盤面から垂直距離で6メートルに達していない作業を含む。)を行っている者は、この条例の施行の日から起算して1年間は、この条例の規定は適用しない。
附則(平成19年12月26日条例第35号)
この条例は、公布の日から施行する。
附則(平成24年9月28日条例第19号)
1 この条例は、公布の日から施行する。
2 この条例の施行の際現に大口町地下水の水質保全に関する条例第4条第1項の規定による届出が提出されている特定作業については、改正後の大口町地下水の水質保全に関する条例第5条第5項及び第10条第2項の規定は適用しない。
附則(平成26年1月31日条例第1号)
1 この条例は、公布の日から施行する。
2 この条例による改正後の大口町地下水の水質保全に関する条例(以下「新条例」という。)は、この条例の施行の日以後に着手する特定作業について適用し、この条例の施行の際現に行われている特定作業については、なお従前の例による。
3 この条例の施行の日から起算して20日を経過する日までに着手する新条例第2条第2項に規定する特例作業については、第4条中「特定作業に着手する日の20日前まで」とあるのは、「特定作業に着手する日の前日まで」とする。
附則(平成28年9月30日条例第25号)
この条例は、公布の日から施行する。ただし、第11条の改正規定は、平成29年1月1日から施行する。
附則(令和元年12月24日条例第58号)
この条例は、公布の日から施行する。
附則(令和3年3月26日条例第5号)
この条例は、公布の日から施行する。