おおぐち観鋭桜について

おおぐち観鋭桜について

  おおぐち観鋭桜とは

 大口町の古来種である諏訪社(大口町高橋一丁目)のエドヒガンの冬芽をクローン培養技術により育てた桜です。また、「おおぐち観鋭桜」の名称は、初代町長で、五条川堤の桜並木の生みの親である社本鋭郎氏に敬意を表したもので、平成28年11月に公募により決定し、平成30年3月に商標登録されています。

  経緯

 五条川堤の桜並木は、大口町の初代町長を務めた社本鋭郎氏をはじめとする、先人たちの「ふるさとに恵みを与えてくれる五条川へ恩返しを」「住民の憩いの場になるように」という郷土への想いによって植えられたのが起源です。

 今日では、五条川堤の桜並木は、まちのシンボルとして町民に愛されているほか、その美しい景観が広く県外にまで知れわたり、「日本さくら名所100選」に選ばれるまでに至りました。しかし、植樹から60余年が経過し、ソメイヨシノの寿命とされる時期を迎えています。

 そのため、現在、大口町では、次世代に桜並木を受け継ぐべく、町の古来種である「おおぐち観鋭桜」を後継種と定め、補植に向けてクローン培養した苗木を育成しています。

  おおぐち観鋭桜 HISTORY

平成24年度

福玉精穀倉庫株式会社・福玉米粒麦株式会社・福玉株式会社の3社から、 桜保全事業に対する指定寄附を受けて 大口町さくら咲く基金条例を制定

※郷土の誇りである桜を保存し未来へ引き継ぐ事業を円滑に推進するための条例

五条川堤の桜並木の保存を検討するため 「五条川水と桜のプロジェクト」を発足

平成25年度

桜並木の保存のため、愛知県一宮建設事務所(河川管理者)等と協議を行い、河川敷の占用許可を取得

平成26年度 

大口町に古くからあるエドヒガンザクラ3本のDNA鑑定を行い、うち2本が近縁の桜であることが判明

平成27年度

近縁種の桜を大口町古来種として保存できないかを検討し、クローン培養試験を実施

平成28年度

クローン培養技術による大口町古来種桜の苗木育成事業を実施(3か年計画の1年目)

平成29年度 

クローン培養技術による大口町古来種桜の苗木育成事業を実施(3か年計画の2年目) ・大口町古来種桜を「おおぐち観鋭桜」として商標登録

平成30年度

クローン培養技術による大口町古来種桜の苗木育成事業を実施(3か年計画の3年目)

平成31年度 (令和元年度)

クローン培養した「おおぐち観鋭桜」400本の苗木の管理・育成を開始

令和2年度

五条川桜並木におおぐち観鋭桜の植樹を開始

  五条川 水と桜のプロジェクト

以下の目的のために大口町職員を中心として平成24年度「五条川水と桜のプロジェクト」が発足しました。

 五条川への通年通水の実現  

五条川は、旧来より農業用水路として使用されていることから、夏場は木曽川から豊富な水量が通水されています。しかしながら、10月の落水以降は川底が見えるまでに少なくなっており、臭いや酸欠による魚の死がいなど環境に対する問題が発生しています。このような問題を解決するため、五条川の冬季における通水が実現するよう目指しました。

 五条川堤における、桜の占用許可を得る

本来、河川堤への植栽は、河川法に基づく基準において禁じられていることから、今後桜並

木を保存し、また管理していくうえでも合法的に占用をとる必要があることから、河川管理者(愛知県)との協議をしてきました。

上記目的に加え、次の世代に桜並木を残すために、大口町古来種桜のクローン苗培養・育成事業を行ってきました。

      木こり2プロジェクト

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 「五条川水と桜のプロジェクト」の取組を引き継ぐプロジェクトとして、平成29年度大口町職員で構成される「木こり2プロジェクト」が発足しました。おおぐち観鋭桜を、多くの人に知っていただくためのPR活動や、地域で活動される団体の皆さんと協力して、五条川堤への補植を行っています。
 また、木育促進の一貫として、大口町保育園年長児の秋の遠足にて、タイム技研(株)にご協力いただき「21世紀創造の森」(岐阜県関市)で、間伐作業の見学や木の皮剥ぎ体験の他、おおぐち観鋭桜の植樹を行っています。 

  今後の取り組み

ph1 現在、当たり前のように感じている桜のある風景を将来に引き継いでいくため、地域団体と協力して桜の保全活動に取り組むとともに、おおぐち観鋭桜の補植を町民の皆様と共に進めてまいります。

 また、桜の寿命という、ひとつの時代の節目を好機と捉え、五条川堤の桜並木の歴史と後継種となるおおぐち観鋭桜のことを、広く町民の皆様に知っていただくために、五条川堤だけでなく“ふさわしい場所”を選定し植樹を実施していきたいと考えています。

更新日 2023年2月13日