家庭での食中毒予防

家庭での食中毒予防

食中毒に注意しましょう

食中毒になりやすい条件

食中毒の原因になる微生物が増える条件として

  1. 温度
  2. 栄養分
  3. 水分

の3つがあり、これらが微生物にとって良い状況になると爆発的に増殖します。
特に夏場は気温や湿度が高くなりやすいため、食中毒に注意が必要になります。

食中毒予防の3原則

食中毒は原因となる微生物が食べ物に付着し、体内へ侵入することで発生します。
食中毒を予防するために大切なことが3つあります。

1.微生物を食べ物に「つけない」

つけないようにするために大切なことは、手や食材、食器をしっかりと洗うことです。見た目だけでなく、微生物がなるべくついていない清潔な状態を目指しましょう。

2.微生物を「増やさない」

微生物は時間とともに増殖します。生ものや調理した料理は暖かい部屋に長時間置いたりせず早く食べ、食べきれないものは早めに冷蔵庫へ保存するようにしましょう。

3.微生物を「やっつける」

微生物をやっつけるために重要なことは「加熱すること」です。食材の中心までしっかりと加熱するように心がけましょう。

食中毒予防の3原則

 

更新日 2025年7月1日

食中毒を防ぐ7つのポイント

家庭での食中毒の発生では症状が軽い、発生する人が1人や2人のことが多いことから風邪などと勘違いされがちで、食中毒とは気づかれず重症になる、死亡する例もあります。

しかし食中毒は簡単な予防方法をきちんと守れば予防できます。

厚生労働省からも食中毒を防ぐ方法について説明されています。

  • 帰宅時や調理の前、食べる前など手を正しく洗いましょう。手の洗い方についてはこちらから。
  • 食中毒を防ぐ方法について、1枚のリーフレットになっています。YouTubeの動画についてはこちらから。
  • 「あわあわゴッシーのうた」で手を洗おう。手洗い歌についてはこちらから。

食中毒予防の6つのポイント

ここでは大きく7つのポイントに分けて食中毒を防ぐ方法についてお伝えします。

1.食品の購入

  • 表示のある食品は、消費期限等を確認し、購入しましょう。
  • 購入した食品は、肉汁や魚等の水分が漏れないようにビニール袋等にそれぞれ分けて包み、持ち帰りましょう。できれば保冷剤(氷)等と一緒に持ち帰りましょう。
  • 特に生鮮食品等のように冷蔵や冷凍等の温度管理の必要な食品の購入は買い物の最後にし、購入したら早めに帰るようにしましょう。

2.家庭での保存

  • 冷蔵や冷凍の必要な食品は、持ち帰ったら、すぐに冷蔵庫や冷凍庫に入れましょう。
  • 冷蔵庫や冷凍庫のつめこみすぎに注意しましょう。目安は、冷蔵庫や冷凍庫の7割程度です。
  • 冷蔵庫は10℃以下、冷凍庫はー15℃以下に維持することが目安です。
  • 肉や魚等は、ビニール袋や容器に入れ、冷蔵庫の中のほかの食品に肉汁等がかからないようにしましょう。

冷蔵庫のイラスト

3.下準備

  • 生ごみはこまめに捨てましょう。
  • タオルやふきんは清潔なものと交換しましょう。
  • 井戸水を使用している家庭では、水質に十分注意してください。
  • こまめに手を洗いましょう。
  • 生の肉や魚等の汁が、果物やサラダ等生で食べるものや調理の済んだ食品にかからないようにしましょう。
  • 生の肉や魚を切った包丁やまな板は、洗ってから熱湯をかけるなど殺菌を心がけましょう。
  • 冷凍食品等の解凍は冷蔵庫の中や電子レンジを用い、常温に長く置くことは避けましょう。

4.調理

  • せっけんを使い、流水でしっかりと手を洗いましょう。
  • 加熱して調理する食品は十分に加熱しましょう。めやすは、中心部の温度が75℃で1分間以上です。
  • 電子レンジを使う場合は、電子レンジ用の容器、ふたを使い、調理時間に気を付け、カレーやシチューなど熱の伝わりにくい物は、時々かき混ぜることも必要です。

鍋で料理をする

5.食事

  • 食事の前には手を洗いましょう。
  • 清潔な手で、清潔な器具を使い、清潔な食器に盛り付けましょう。
  • 調理前の食品や調理後の食品は、室温に長く放置してはいけません。

6.残った食品

  • 残った食品を扱う前にも手を洗いましょう。
  • 残った食品は清潔な器具、皿を使って保存しましょう。
  • 残った食品は早く冷えるように浅い容器に小分けにして保存しましょう。
  • 残った食品を温めなおす時も十分に加熱しましょう。目安は75℃以上です。
  • 時間が経ちすぎた食品や、長く保存している食品は思い切って捨てましょう。
  • ちょっとでも怪しいと思ったら食べずに捨てましょう。

小分けにする

7.その他

  • 寿司や刺身が入った仕出し料理などは、食べる時間に合わせて注文するか、買ってから2時間以内に食べるようにしましょう。
  • 冷凍された魚介類を解凍する場合には、流水または冷蔵庫内で行うか、電子レンジを使いましょう。常温での長時間の自然解凍は、食中毒菌が増えるリスクがあるため、やめましょう。
  • 食中毒を予防するためには、「食中毒予防の3原則」を守ることが重要です。

食中毒の3原則

更新日 2025年7月1日

『妊娠中や育児中の食中毒に注意してください』


妊娠中や育児中のご自身、赤ちゃんの食事には、いくつか気を付けていただきたいことがあります。

「お魚に含まれる水銀」と、生ハムやナチュラルチーズなどが原因となって起こる「リステリアによる食中毒」です。
厚生労働省からも公表されていますので、合わせてご参照ください。
「魚介類に含まれる水銀」についてはこちら
「リステリアによる食中毒」についてはこちら

リステリアによる食中毒に注意してください

リステリアとは

リステリア(リステリア・モノサイトゲネス)とは、河川水や動物の腸管内など環境中に広く分布している細菌です。食品を介して感染する食中毒菌です。

欧米ではナチュラルチーズ、生ハム等を原因としたリステリアによる集団食中毒が発生しています。また、国内では、乳製品や食肉加工品などから、菌数は少ないですが、リステリアが検出されています。

妊娠中は、一般の人よりもリステリアに感染しやすくなり、赤ちゃんに影響が出ることがあります。少量のリステリアでも発症し、妊婦は敗血症や髄膜炎など重篤な状態(リステリア症)になることがあり、海外では死亡例も確認されています。
またおなかの中の赤ちゃんは胎盤を通してリステリアに感染し、流産や生まれた後に髄膜炎や敗血症といった重篤な状態になることがあります。

注意が必要な食品はなにがあるの

リステリアはほかの一般的な食中毒菌と同様に加熱により死滅しますが、4℃以下の低温や、12%食塩濃度下でも増殖できる点が特徴です。
そのため、冷蔵庫に長期保存され、加熱せずにそのまま食べられる食品は、食中毒の原因となりえますので注意が必要です。

リステリア食中毒の主な原因食品例

  • 生ハムなどの食肉加工品
  • 未殺菌乳、ナチュラルチーズなどの乳製品(加熱をせずに製造されるもの)
  • スモークサーモンなどの魚介類加工品

リステリア

リステリアによる食中毒を防ぐには

リステリアは冷蔵庫内でも増えるので、冷蔵庫を過信せず、食品は期限内に(開封後は速やかに)食べるよう心がけましょう。リステリアは加熱により死滅するので熱して食べることも予防対策の1つです。

家庭でもできる予防方法は以下の4つです。

  • 生野菜や果物などは食べる前によく洗う。
  • 期限内に食べるようにする。
  • 開封したその日に使い切る。翌日以降に持ち越す場合は十分に加熱してから食べる。
  • 冷蔵庫、冷凍庫を過信しない。
更新日 2025年7月1日