平成18年度施政方針

平成18年度施政方針

平成18年度施政方針

記録的な大雪で始まった今年の冬も、間もなく終えんを向かえ、五条川の桜も芽を吹き始め、春の気配が感じられる今日この頃となってまいりました。

地方分権の到来と年々厳しさを増す地方経済の中で、地方の独自性を発揮し、住みよい自立したまちづくりを目指し、町政の推進に努めてまいりました。
この間、皆様方には格別のご理解とご協力を賜りましたこと、心から厚くお礼申し上げます。

本年は、大口村の誕生から100年という節目の年を迎えました。
町政が、日々発展を続けることができますのも、礎を築いていただいた先人の皆様のご尽力の賜物であります。

第6次総合計画のスタートの年、まさに今、地方は、中央集権と右肩上がりの経済の中で身に付いた依存から脱却し、持続可能な地域社会の再生に向け、新たなる第一歩を踏み出す時であると考えております。
第6次大口町総合計画では、「みんなで進める自立と共助のまちづくり」の「基本理念」のもと、まちづくりに取り組む際の判断、あるいは行動の基準とするべく「安全」「協働」「共生」「公平」「発展」の5つの尺度を定め、町民の皆様との協働による新たなまちづくりに積極的に取り組んでまいりたいと考えております。

さて、わが国の経済情勢は、輸出や生産などに見られた弱い動きを脱し、雇用や所得環境の改善を通じて、消費及び設備投資は引き続き増加し、民間需要を中心に緩やかな回復を続けております。しかしながら、原油価格の高騰や世界経済の動向がわが国の経済に与える影響に引き続き留意する必要があり、未だ予断を許さない状況が続くものと考えております。

また、今後、団塊の世代が高齢期を迎えるなど、少子高齢化が一層進展することが見込まれております。現役世代の社会保障の負担増や、労働力不足の深刻化、さらには生産や消費活動の規模の縮小により、地域経済や都市全体の活力の低下が危惧される中で、高齢者が地域社会において果す役割はますます大きくなり、高齢者同士、さらには世代間を超えて支えあう共助の仕組みづくりが重要となってまいります。
一方、国においては三位一体改革を推進し、総額3兆円規模の税源移譲を行い、国から地方への道筋がついたという点では、一定の意義があったと考えておりますが、国の財政状況や少子高齢化社会の進展等、今後の動向は予測しがたいものがあり、なお一層、持続可能な安定的な財政構造基盤の確立に取り組まなければならないものと受け止めております。
さらには、従来の行政運営の仕組みを根本的に見直すという認識のもとに、経営感覚を積極的に取り入れ、行政評価制度を確立した新しい行財政システムの構築が必要であります。

このような状況のもと、わが町の「将来像」である「輝く水と緑 元気な暮らし広がる自治のまちおおぐち」の実現に向けて、第6次総合計画や集中改革プランにより、行政自らが、「意識」「組織」「財政」の改革に取り組み、新たな視点に立って見直しを行なうとともに、行財政改革が一歩一歩前進すべく挑戦していかなければならないものと考えております。
それでは、平成18年度当初予算の概要について、述べさせていただきます。
平成18年度当初予算の規模は、一般会計は、79億1千万円、対前年度比8億4千万円、11.9%の増、特別会計では、48億4,093万7千円、対前年度比2億3,431万3千円、5.1%の増、総額では、127億5,093万7千円、対前年度比10億7,431万3千円、9.2%の増となっております。

一般会計におきましては、「統合中学校建設事業」が新たにスタートすることにより、予算規模が大きくなっておりますが、次の5つを重点施策として位置付けております。

まず第1は、「全町農業公園構想」であります。
農業は、人類が生きるために最初に創りだした文化であり、自然環境に適応しながら続けられてきました。都市化が進み環境の悪化が叫ばれている今こそ、自然との共生や循環型社会へ向け、農業資源の有効活用を図り、この町の大切な財産である農地を次世代に引き継ぐことが責務であり、積極的な取り組みを進めてまいります。

第2に、「住民の参画と参加のまちづくり」であります。
NPO活動に対する支援や元気なまちづくり事業等を通して、住民の参画と参加のさらなる意欲を掘り起こし、協働団体によるネットワークの構築を目指し、互いに信頼と協力関係をもち、実現に向け取り組んでまいります。また、NPO活動やボランティア活動において、活動を行なう拠点づくりに向けた研究を行なってまいります。

第3に、「サイバータウン構想」であります。
IT情報技術は、日々進歩し、人との交流を大切にしながら、生活の利便性を高め、生活そのものが大きく変化しております。行政の説明責任を認識し、情報の整備や公開を行い、情報の共有化、あるいは双方向でのコミュニケーションを図るとともに、新たな地域コミュニティの創出を目指してまいります。また、平成11年に本町のホームページを開設しておりますが、内容が煩雑化しており、見やすく利用しやすいものに更新をしてまいります。

第4に、「安全・安心のまちづくり」であります。
犯罪や災害に限らず、健康、交通など、様々な危機と隣り合わせておりますが、町が暮らしの安全全てを守れるものではありません。何より頼りになるのが、地域の結束であります。これまで以上に地域や関連機関との連携を深め、安心して生活を送ることができるまちづくりを行政の広い分野で取り組んでまいります。

第5に、「生涯学習構想」であります。
子供たちへの多様化する教育方法に対応できる新しい中学校を、平成20年4月の開校を目指し整備を進めてまいります。
また、科学技術の発達や、情報化、国際化の進展など、社会環境の変化に的確に対応しながら、充実した生きがいのある生活を送るために、常に新しい知識や技術を習得していくことが必要となっております。心の豊かさを求め文化活動やスポーツによる健康づくりなど、自ら選択し学習できる環境づくりに取り組んでまいります。

いずれにいたしましても、平成18年度は、様々な意味において、次世代構築の第一歩となる記念すべき年であり、本町の歴史に残る1年になるものと感じております。
今後とも、一層のご理解とご協力をお願い申し上げ、平成18年度の施政方針とさせていただきます。

平成18年3月2日
大口町長 酒井 えい

作成日 2010年4月5日