平成21年度施政方針

平成21年度施政方針

今、我が国及び私達は、かつて経験したことのない三つの 大きな危機の中にあります。一つは、金融危機に端を発した、急激な経済不況と財政危機であり、二つは右肩上がりをベースに構築された社会保障制度の崩壊であります。三つ目は、国の政治の混迷と政策の行き詰まりであります。
先人は、こうした危機を時代の大きな 転換の機会にしてまいりました。「ピンチはチャンス!」であります。
100年に一度と云われる経済不況は、産業構造を転換させ、新しい産業を生み出す機会となります。また、公が一律に担っていた社会保障制度に新たな担い手が活躍する新しい公共分野をつくる機会を広げます。
そして、地方分権であります。環境・教育・暮らしなど身近な課題は、地域で解決を図り、地域の特性を 生かした 魅力ある地域づくりの機会となります。私達 一人ひとりが 、自助・互助・公助の原点を踏まえ、建て前でない「選択と集中」と「住民参加と協働」で、先人が築いた資産を守り、将来への 明るい兆しを 創り、次世代へ 引き継いで いきたいと考えます。

まず始めに、「全町農業公園構想」であります。農業を食料生産だけでなく、多様な価値観で評価しつつ、農業への関心を高めて、環境・景観・交流・健康・教育の 5Kの事業に取り組んでまいります。
次に、「住民の参画と参加のまちづくり」であります。本町には「世界に名を馳せる企業群と広がる農地」があり、そこには世界レベルの技術や知恵を持った人々、汗を流し、労を厭わない、貴重な人材が 多くあります。そして、多くの住民が、まちと関わることの大切さを認め、その素地と気風が整ってきております。これらを繋ぎ、住民と企業、行政が共に働く「協働のまちづくり」の 一層の充実に努めます。
さらに、「生涯学習構想」であります。今年度末をもって大口中学校の整備に一区切りを付けることができました。今後は 学校応援隊とともに、様々な 教育の取組みが成されるものと期待するものであります。そして、米百俵の精神を持って、次代を担う子ども達の未来をつくるため、明日の学校づくりに取り組みます。新生大口北小学校の開校工事、更には南小学校の整備に向けて安心して学習できる環境づくりに努めます。

平成21年度は、地域づくりの絶好の機会にしてまいります。それには、議会、住民、行政が一つの目標のもとに団結してこそ成るものであります。
「ピンチはチャンス!」大変 厳しい財政状況の中にあるからこそ、「元気な大口町」、そして「地域ガバナンス」の実現を、地域の方々との「協働」「共治」により推進してまいります。
皆様方のご理解とご協力を心よりお願い申し上げまして、平成21年度の施政方針とさせていただきます。

平成21年3月4日
大口町長 酒 井 えい

作成日 2010年4月5日