平成20年度施政方針

平成20年度施政方針

「地方が主役」「住民が主役」の時代が到来しました。

昨年5月、国の地方分権改革推進委員会は今後の地方分権改革推進にあたっての基本的な考えを明らかにしました。そこでは、「地方の活力なくして国の活力はない」と住民に最も身近な基礎自治体が、住民ニーズや地域特性を踏まえて、様々な行政分野で独自性のある施策を展開し、自立した「強い地方」を創出することで、地方が主役の国づくりに取り組んでいく必要性が述べられています。この「強い地方」の創出は、第6次大口町総合計画を始めとするこれまで大口町が目指してきました自治の姿と軌を一にするものであり、今後も、「財政基盤の強化」「効率的な行政運営」「地域の課題解決」に取り組んでまいりたいと考えております。

まず、財政基盤を強化する取組みとしては、歳入の確保と歳出の合理化・効率化を目指す中で、住民の皆様にも受益に応分な負担を求めながら、国に依存しない自立した持続可能な財政基盤づくりに努めてまいります。大口町は、平成19年度におきましても町内企業の好調な業績に支えられ、法人町民税については約20億円という過去最高の税額になる見通しとなっております。しかし、「世界経済は、より困難で不確実な環境に直面している」といわれる経済状況の中で、今後、大口町では北小学校の北部中学校への移転、南小学校及び西小学校の耐震補強工事、保育園の整備等大規模で継続的な投資が必要となってまいります。このための財源確保を目的に平成20年度において基金への積み立てとして、22,600万円を計上いたしました。

平成20年度当初予算の編成にあたっては、集中改革プランに基づく「選択と集中」を念頭に予算の編成に取り組み、歳出については既存の事務事業の見直しを図るとともに、施設運営の効率性や利便性の向上を目的に、大口町では2例目となる健康文化センターへの指定管理者制度の導入を図ってまいりたいと考えております。一方、歳入の確保に関しましては、地域産業の活性化・振興を図ることを目的としたホームページ等への有料広告の掲載、あるいは将来自立した運営を行うための財源確保を目的としたコミュニティバスへの有料広告の掲載などにも引き続き取り組んでまいりたいと考えております。さらには、基金の一部を活用した国債に対する資金運用も積極的に実施し、新たな財源の確保に努めてまいります。

次に、効率的な行政運営のための取組みにつきましては、第6次大口町総合計画に示しました「財政改革」「組織改革」「意識改革」の三つの改革を通じて、その実現を図ってまいりたいと考えております。このため、目標を持った予算の編成、目標管理による施策の推進、こうしたことを前提とした人事評価制度の導入を行うことで三つの改革を推進し、効率的な行政運営、さらには行政経営の実現を図ってまいります。

続きまして、地域の課題解決のための施策についてであります。

最初に「全町農業公園構想」についてでありますが、平成20年度に老人福祉センター横に整備を予定しております「いこい工房」での地元産の小麦を使ったパンの製造とそのパンを利用した給食の実施を目指す地産地消の取組みについて、構想の主要事業の一つとして位置付けができるよう小麦栽培の基盤整備、事業費の助成等の仕組みを工夫してまいります。

次に「住民の参画と参加のまちづくり」についてであります。住民活動が活発な大口町の未来を創造する原動力は住民の力であり、平成20年度は町民参加条例の制定を始め、Oh-! TOWNおおぐち構想等の促進を図り、活動の拠点としての支援センターの整備、あるいはまちづくり道具箱整備事業を通じた協働事業の一層の推進等、「住民が主役」となるための地域基盤の強化に引き続き取り組んでまいりたいと考えております。

3番目の「サイバータウン構想」につきましては、新たに庁舎内における事務情報のデジタル化を図り、より多くの町民に情報を提供できる基盤整備の構築などに取り組んでまいります。

続きまして「安全・安心のまちづくり」についてであります。

大口町内の犯罪発生件数は、平成19年においても引き続き減少し、平成15年の約半数の発生件数となっております。今後も、住民の皆様との協働により一層の犯罪防止に取り組むとともに、平成20年度は、緊急地震速報を防災行政無線により、リアルタイムで町民に周知できるシステムを導入するとともに、各小学校や役場庁舎の耐震整備を促進してまいります。

5番目は、「生涯学習構想」についてでありますが、その中核ともいうべき大口中学校が、皆様のご協力によりこの4月に開校を迎えることとなり、平成20年度はこの施設にふさわしいソフト事業の充実を図ってまいりたいと考えております。

また、これらの施策とは別に、急激な少子化が進行する中、子育て中の保護者を支援するため中学生までの医療費の無料化を始め、病児・病後児保育の委託を行ってまいります。さらには、まちの環境保全と資源の有効利用を目的に、平成16年度対比可燃ごみの20パーセント減量に向けた取組みを本格化させ、この目標達成のために努力してまいりたいと考えております。

こうした施策の推進を中心とした平成20年度における一般会計の予算規模は、77億8,000万円、対前年度比23%、23億3,000万円の減額、特別会計では38億4,378万円、対前年度比23.9%、12億982万円の減額となり、総額では、116億2,378万円、対前年度比23.3%、35億3,982万円の減額となっております。一般会計の予算規模が前年度と比較し、大幅な減額となった理由といたしましては、平成19年度に大口中学校建設事業に係る経費として約34億円が計上されていたことによるものであります。

また、特別会計の大幅な減額の理由につきましては、老人保健制度が新たに後期高齢者医療制度に移行することに伴うものであります。

地方分権の流れは、今後ますます強くなるものと予想される中、「持続できる明日の大口町を築く」ために、今後とも一層のご支援とご協力を賜りますようお願いを申し上げ、施政方針といたします。

平成20年3月4日

大口町長 酒井 えい

作成日 2010年4月5日