令和4年度施政方針

令和4年度施政方針

令和4年度施政方針

1.(はじめに)

 それでは、議長さんのお許しを頂きましたので、令和4年度当初予算の提案にあたりまして、町政運営の基本方針を申し上げます。
平成25年11月の町長就任より、3期目を迎え、はや4か月余りが過ぎました。この間、議会の皆様方をはじめ、地域において様々な場面でご活躍をいただいております皆様方には、様々な形でお力添えをいただきましたこと、この場をお借りしまして、深く感謝申し上げます。
 町長としての2期8年の任期のなかで、経験し、学んできましたことと、私が企業人としての人生経験の中で蓄えてきました経営感覚をあわせ、今後の町政運営に反映させて行きたいと考えているところであります。
 令和4年度の当初予算につきましては、総務部長が、経営計画策定方針と各部毎の一般財源配分額を示し、部課長は、担当職員と一緒に事業の振り返りと見直し、さらには特定財源の確保に努め、本日ここに、一般会計98億2,000万円、7特別会計47億7,514万円、総額145億9,514万円の予算案を上程させていただく運びとなりました。

2.(令和4年度行政運営の基本方針)

 予算案の内容につきましては、所管部長より説明をさせて頂きますので、私は、行政運営の基本方針について申し述べさせていただきます。
 令和3年4月に見直しをしました「第2期まち・ひと・しごと創生総合戦略」の中で、2065年までの人口推計を行いましたが、その推計によると、本町の人口は、2040年では25,900人となり、その後もわずかずつではありますが、人口は増加し続けていくと予測しています。
 国全体としては、既に人口が減少しており、近隣の自治体においても多くの市町が人口減少の時代を迎えております。
 本町におきましては、まだ、しばらくの時間的な猶予があることが見込まれますが、人口減少時代に備えた取り組みや超高齢社会への備えを進めていかなければならないと認識を新たにしているところです。
 そして、目の前で今現実に起きている問題にも取り組んでいかなければなりません。コロナウイルス感染症対策であります。
 これまでの我々の生活様式を一変させ、これまでの常識では通用しないような事態が日々続いております。昨年の年末の時点では、接種対象者の90%近くの方が2回のワクチン接種を終え、感染者数も一旦は大きく減少したにも関わらず、年が明けるとすぐに新たなオミクロン株による爆発的な感染が広がり、今なお感染拡大の大きな不安の中での生活を多くの国民が余儀なくされている状況が続いております。
 このコロナウイルス感染症に関しては、これまでもいち早く対応し、対策をとることを心がけてまいりましたが、今後ますます、新たな対応にも柔軟に素早く対応していかなければならないと、考えているところであります。
 どうか町民の皆様をはじめ、ここにお見えになる議員の皆様方にも様々な面でご協力をいただきながら、この難関を乗り越えていくべく皆様のお力をお貸しいただきたいと思っているところであります。

3.施策体系と概要

  それでは、令和4年度における施策体系とその概要についてご説明申し上げます。
  平成28年度よりスタートしております第7次総合計画が中間年を迎え、令和3年度にその見直しをした計画により、計画年度の残りの5年を再度スタートさせております。
 基本構想におけるまちの将来像や基本理念に変更はありませんので、これまでの5年間で実施してきた本町のまちづくりを、引き続き実施していきたいと考えているところです。
 まずは、これまで同様に第7次総合計画におけるまちづくり戦略に沿って、令和4年度のそれぞれの事業の方針を申し述べさせて頂きます。
  はじめに「若い世代の定住・子育て支援」であります。
 先ほども申し上げましたように、多くの自治体が人口を減少させている中、本町の人口は今しばらく増加していくものと見込んでいます。これは、シティプロモーション事業をはじめとした、本町の移住・定住支援策や保育施設の充実、奨学金助成などの子育て環境の充実等の成果であると思っているところです。
 今年度におきましても、限りある財源の中で、特に若い子育て世代の皆様への支援策を続けてまいりたいと考えているところです。
 また、子育て支援事業として、現在、準備を進めております大口西小学校の校舎整備をはじめ、国の進めますギガスクール構想により整備しましたタブレット端末が十分に活用でき、子供たちだけでなく、先生方にとっても負担軽減が図られ、それらの活用につながるような、様々な環境を整えてまいりたいと考えております。
 さらに、大口の子供たちは大口町の宝であり、貴重な人財であるとの考えのもと、令和4年度はこども条例の制定に向けた第一歩を踏み出します。まずは、条例の内容を検討するための組織づくりに着手し、調査検討を進めてまいります。

 次に「健やかな暮らしづくり」であります。
 コロナウイルス感染症のまん延防止措置などの影響により、これまで実施してきました保健事業の実施がこれまでどおりにはできていない状況ではありますが、そのような状況の中でも様々な工夫を凝らし、医療従事者の皆様をはじめ、住民の皆様や企業の皆様のご協力も頂きながらコロナウイルスワクチンの接種事業につきましては、順調に進められてきたものと考えております。
 特に町内の医療機関の皆様や町内企業の皆様には、格別のご協力をいただいておりますことをこの場をお借りしまして、多大なる感謝の意とともにご報告させていただきます。

 また、実施を控えておりました保健事業に関しましても関わる住民の皆様のご協力をいただきながら順次実施し、住民の皆様の健やかな暮らしを守っていきたいと考えているところです。
  コロナウイルス感染症対策に関しましては、まずは、現在進めております3回目のワクチン接種を可能な限りスピードアップし、多くの住民の皆様に3回目のワクチン接種を終えていただき、少しでもコロナウイルス感染症によるリスクを低減させていきたいと考えているところです。すべての事業に最優先で、まずはワクチン接種に取り組んでまいる所存であります。
 3つ目は「活力ある産業づくり」であります。

 これまで大口町は、財政的に恵まれたまちであると言われてきましたが、法人町民税の税率の引き下げの影響が大きく響き、これまでのような裕福なまちであるとの認識では、これから先の町政運営はできないものと自覚しております。
 しかし、それでも先人が知恵と努力で築いてこられたこの町を動かす動力である産業を衰退させることは許されません。先人の努力によりこの大口町に拠点を置き、これまで努力していただいた企業とそこで働く皆様をこれからも支援していかなければと考えているところです。また、さらなる企業の誘致を行うことで、この大口にしっかりと根を張り、花を咲かせていただける企業をこの大口の土地にいざなっていきたいとも考えています。
 そのための環境、インフラ整備におきましては、大変厳しい財政状況ではありますが、積極的な投資をし、様々な企業からの要望にもお応えできるように、特に町内の道路をはじめとするインフラ整備を積極的に進めていきたいと考えております。
 国道41号が大口町内より南におきましては、6車線化がほぼ完了となり、町内から国道41号に流入する道路の整備が非常に重要となってきました。これまでも順次整備を進めてまいりましたが、今後はより一層町内の接続道路の整備を進めてまいりたいと考えているところです。

4.(おわりに)

 令和4年4月1日に大口町は、町制施行60周年という節目を迎えます。これまでも申し上げてきましたが、人間に例えるならば、60歳は還暦の歳ということになります。
 還暦とは、皆さんご存じのとおり十干十二支(じっかんじゅうにし)が一巡してもとの暦に還る本卦還り(ほんけがえり)に由来するものであり、赤子に戻り、もう一度生まれ変わって出直すという意味あいがあります。
 赤子に戻るということで赤いちゃんちゃんこを着て長寿のお祝いをするのですが、町制60周年記念のロゴマークにおきましても赤色を基調としたデザインのもので作成をしていただきました。
 還暦の祝いとなるこの令和4年度を本来であれば、町民の皆さんをはじめ多くの方々と共にお祝いをするのが本意ではありますが、現在のこのコロナウイルス感染症の感染状況や今後の見通しを踏まえ、できるだけ質素に、それでも心に残る60周年になるようにと考えているところです。
 60年前の昭和37年当時においては、大口村が分割される状況を乗り越え、当時、相当困難であったであろう自主自立の道を歩み始めた頃だったのではないかと思われます。
 その頃の社本町長はどんな強い想いでこの町の皆さんを導かれたのであろうかと考えを廻らせますと、今のこの世界的なコロナウイルス感染症の感染拡大に伴う様々な問題に対して、我々は改めて強い覚悟を持って立ち向かっていかなければならないと思いますし、私も町長として強い想いを持ってリーダーシップを発揮しなければと考えているところです。
 初代社本町長率いる大口町の住民が、痛みを惜しまず力を合わせて努力をし続けたように、我々も今、60年前の原点に立ち返ってこれからの60年先まで、この大口町が大口町として存在し続けられるよう、まちづくりの担い手である住民の皆様や多くの企業など、様々な団体とも一体となって、力を合わせ、努力していかなければなりません。
 そのためにも、ここにおそろいの町議会議員の皆様をはじめ、この町にかかわるすべての皆様方のご理解とお力添えを重ねてお願いいたしまして、令和4年度の施政方針とさせていただきます。

令和4年3月2日
大口町長 鈴木 雅博

更新日 2023年3月2日